クレイジー横山です!
どうも!
(続き)
自分は第八試合。
森さんが赤コーナー
おれが青コーナー
試合開始!
最初からいきなり
森さんは右ローの連打。
これでもか
これでもか
ってぐらい
何回も蹴ってくる。
予想通りの攻撃だ。
トレーナーさんの指示を
リングの上で的確に実行できる森さんは
やっぱりすごい。
自分より格段上だ。
ヤバい。
このままじゃ
完全に相手のペース。
…まず左足を壊せ。
うまくいけばそこで倒れる。
倒れなくてもガードが下がるから
そこでフックの連打をお見舞いして
マットに沈めろ。
…そういう作戦だ。
い、痛っ!
あと3発もらったら
もう耐えられない。
「ほら相手ロー効いてるぞ!」
誰の声かわからないけど
自分の耳にはっきり届いた。
だんだん距離感がつかめてきた。
ローを蹴りやすい位置に自分が突っ立っているから
もらうんだ。
前へ出ろ!
ローの攻撃がやんだ。
「ほら良和、ミドル!」
玲於奈先生の声が聞こえた。
左ミドル!
「よ~し!ナイスミドル!」
いや
ナイスには程遠い
へなちょこミドル。
それでも
指示をちゃんと聞けたことを
玲於奈先生はほめてくれて
劣勢な自分に
自信をつけさせようと
してくれてるんだ。
第1ラウンド終了。
よく
試合の時間はすごく長く感じる
っていうけど
おれの場合は逆で
あっという間に終わっちゃう印象。
だから
ぼやぼやしてると
何もできないうちに
試合が終わっちゃう。
インターバルの間
セコンドの先生と
会話をした記憶がない。
胸を張って深呼吸していた。
それだけは覚えている。
(続く)